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「時空を越えて、みちのく丸の挑戦」

Amicが「みちのく丸」の運営に携わるようになった2006年。設立間もないAmicが、日本で、いや世界で一隻しかない原寸大の「みちのく丸」を帆走させるまでの、感動や困難、成果を、5回(毎月)の連載でお伝えします。



本事業を通して、和船の美しさ、先人の技術を伝える情報を発信し、財団法人みちのく北方漁船博物館財団と連携して、日本中の人々が和船の魅力を体験できればと思います。

 また、ご覧になった皆様のご意見をどしどし募集します。2007年の「みちのく丸」の運営がより魅力的なものになり、日本の宝船になれば、最高に幸せですね。



2006年10月1日午前9時過ぎ、「みちのく丸」は曳航船に引かれ、青森港の沖合い約9キロの帆走許可水域に向かった。風は東北東、約毎秒5メートル。絶好のコンディションだ。帆桁(ほげた)に装着した約400平米の分厚い木綿製の帆が、帆足結びでコンパクトにたたまれ、風を待っている。船首側の曳航船がみちのく丸を南向き、すなわち八甲田山を背景にした青森市街地にむけて回頭させはじめた。いよいよスタートだ。春夏秋冬、この景色は何度見ても美しい。

木村透船長と若井敬一郎帆走技術責任者が話し合った。まず、北寄りの風を受けて真帆(まほ)でスタートし、何度かの下手回しを繰り返し、一気に「間切り(まぎり)」をやろう!

「間切り」とは風上に船を走らせる帆走技術。その際、帆の角度、長短十数本の綱を一気に張替え、調整し、固定しなおす。大きな帆だけに、舵角と各綱の張替えのタイミングが非常に難しく、タイミングがずれ裏風が帆にはらむと、危険な場合もある。

今回の帆走実験の最大の目標で、まだ日本で復元されていない帆走技術だ。全員がチャレンジに燃えている!!

 まず、真帆から西へ下手回し(方向転換)、南にしばらく走らせる。今度は逆に東へ下手回し。順調である。舵手、帆の上下、左右を支える各綱のポジションのスタッフの呼吸が合っている。

 木村船長、若井帆走技術責任者が、間切りに入る指示した。「北東へ間切るぞ! 左舷の両方綱、ミヨシへ! 舵、10度キレ!」。今までにない緊張感が船上の皆んなに伝わった。数秒後、みちのく丸は、北東に船首を向け始めた。歓声が一人、二人と広がり、日本で初めて帆走技術の復元に成功したことを伝えた。木綿地の巨大な帆がみちのく丸の右舷側で大きく大きく風をつかみ、船を風上に走らせた。



Toriyabe Masami * 〜復元・北前型弁財船「みちのく丸」帆走レビュー〜 * 16:47 * comments(13) * trackbacks(0)
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